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怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第7章 選抜術式試験




その表情はただの弱者になんて全く見えない。
教室で毎日見ていた一瀬 グレンとはまるで別人だ。


深夜の対戦相手
「深夜様、行かせていただきます」


グレンの事ばかり気にしていると、既に試合は始まっていた。
彼の事はひとまず置いておいて試合へと視線を戻す。


深夜
「うん。いい試合にしよう」

深夜の対戦相手
「はい!」


そんな風に和やかに始まったこの試合。
男子生徒は元気に返事をした後、呪符を取り出す。
いくつかの札を投げて展開しているので、大きな呪術を使うつもりなのだろう。


深夜
「………」


でも深夜は動かない。
何もせずにぼんやりと対戦相手を見ているように周りからは見えているはずだ。


深夜の対戦相手
「あ、あの…」

深夜
「ん?」


それに気づき、怯えた様子で男子生徒は声をかけた。


深夜の対戦相手
「攻撃してこないんですか…?」

深夜
「あー、ごめん。忘れてた」

深夜の対戦相手
「その、私の方の術は完成してしまったのですが…」


彼の前には既に完成した呪法が展開されていた。
あれが本当に完成しているのなら、全く強化をしていない深夜が受けると死ぬ可能性がある。


深夜
「じゃあ撃ってみようよ」

深夜の対戦相手
「いや、でもかなり大きな術式で…これを喰らったら普通の人間は死んでしまうので…」


撃てと言う深夜に彼は戸惑っていた。
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