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怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第10章 本当の実力と柊のやり方





深夜
「準備できた?」

「もう少し待ってよ」


当たり前のようにテーブルの前に座っている深夜。
いつも通りの朝を壊した張本人だ。

お茶だけ出して放置していた深夜の前に座り、パンを口にする。


深夜
「それだけしか食べないの?」

「うん。朝は食べる気しないし、あんまり食べると動きづらくない?」

深夜
「んー。でもいざと言う時に困るから食べられる時に食べておいた方がいいんじゃない?」


そんな会話をしつつも数口で食べ終わるサイズだったのでさっさと食べ終えて、私は立ち上がった。
深夜もそれを見て飲みかけていたお茶飲み干す。


「ここで話聞いた方がいいの?」


コップを片付けながら質問すると、深夜は頷いていた。
学校でも会えるのに私の家へと訪問した理由は話があるかららしい。

となると、2人きりじゃないと話しづらい事なのだろう。
再び向かいの席へと腰掛けると、深夜はようやく切り出した。


深夜
「僕達に呼び出しがかかった」

「…誰から?」


聞いてはみたものの深夜を呼び出せる相手なんて僅かしかいない。
だからこの質問は確認に近かった。


深夜
「暮人兄さん」


呼び出した相手は予想通りの人物。
グレンが部下になったタイミングで呼び出すなんて何か不吉なものを感じてしまう。


「目的は?」

深夜
「さあ?今日の9時に零崎 愛梨と共に生徒会室へ来い、とだけしか聞いてないからね」

「さすが横暴な生徒会長様ね」


深夜だけでなく私まで呼ぶ理由はなんだろうか。
部下的な立場だと判断して呼んだくらいならいいのだが、間違いなくそれはありえない。
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