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怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第7章 選抜術式試験




「!」


その事に違和感を感じてじっと見ていると、グレンの表情の変化に気がついた。


グレン
「…はぁ」


深夜がもう自分の事を見ていないとわかったからだろう。
いつものへらへらとした笑顔とは違い、面倒そうな顔をしてため息をついている。



「………」


これは何に対するため息なのか。
一瀬 グレンがどういう人物なのかが更にわからなくなった気がする。


監督官1
「1年9組、柊 深夜」

深夜
「はい」


色々と考えていた私だが、その声を聞いて考えるのをやめた。
この試合は柊の人間の実力を多少は把握する為にも見ておかなくてはいけない。


女子生徒1
「深夜様よ…」

男子生徒1
「柊家の方が戦われるぞ」


ざわめき始める生徒達。
他のクラスの試合を見ていた生徒まで集まってきたようで、誰もが注目している事がわかった。


深夜
「………」


普通なら対戦相手を見る所だが、なぜか深夜は場外を見ている。
恐らくあの視線の先にいるのはグレン。

少し見ただけですぐに逸らされたその視線は、グレンを挑発しているように感じた。


グレン
「…なんだよ。俺にがっかりしたんじゃなかったのかよ」


深夜に見られた事を気づいているグレンがぽつりと呟く。


グレン
「それとも実力差を見せつける気か?」


グレンはそう言ったきり黙り込んで考え始めた。
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