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怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第7章 選抜術式試験




五士はどんな戦い方をするのだろうか。


五士の対戦相手
「いかせていただき…」

五士
「早く来て」

五士の対戦相手
「いきます!!」


急かされて男子生徒は剣を掲げた。
だが、掲げた瞬間にその剣はもう彼の手からは消えてしまっていたのだ。

男子生徒は気づいてないが、五士はその剣を持って背後に立っている。


五士
「終わりでいいかな?」


そして彼の首筋に剣を当ててそう言った。
相手の生徒は一歩も動けない。

でもこれは五士のスピードが速い訳ではないと私にはすぐにわかった。
あれは幻術。
すごくスムーズに幻術を出し入れしているのだ。

それがあまりにも上手いので、ゆっくり動いているのに速く見える。
もちろん隣にいる深夜も気づいているはずだ。


グレン
「こりゃ、ずいぶんと速いな…」

「………」

深夜
「はぁ…」


でもすぐ近くにいたグレンはそんな事を言っている。
深夜と顔を見合わせると、彼はため息をついてグレンの方を見た。


深夜
「速くねぇよ」

グレン
「え?」


短く呟いた深夜の言葉にグレンが顔を向けるが、深夜はもうそちらを見ない。
それは自分の試合がすぐに始まるからというよりは、毛嫌いしているようにも感じさせる態度だった。


「………」

グレン
「………」


でも私はグレンから目を離さない。
本当にあれが幻術だと気づけなかったのか。
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