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怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第7章 選抜術式試験




あれは昨日私が助けようとした一瀬の従者だ。
一瀬の呪法については柊側の人間には知られていない。
だから五士はともかく、深夜は気になるだろう。


監督官1
「1年9組、十条美十。前へ」


しかも相手はあの十条家。
一見すると、勝負は見えているようにも感じる。


時雨
「権威主義者が…」

美十
「二流の言葉は聞こえませんね」

時雨
「殺す」

美十
「あなたには無理です」


でも時雨は負ける気がないようだ。
美十が言い終わる前に後ろに手を回し、袖から武器を降ろしている。


「…暗器使い」

深夜
「だね。愛梨ちゃんも見えたんだ?」


もちろん見えた。
でもあの動きなら気づかない人も多いだろう。

なかなかの手練に見える暗器使い相手に美十はどう立ち回るのか。


美十
「………」


美十の方を見ると、何かを呟いているのが確認できた。

十条家は先祖が呪いを受けており、子孫の全員が美十のような赤い髪で生まれてくるらしい。
そんな十条家が得意とするのが、身体能力を限界まで跳ね上げる呪法だ。

あれも恐らくその系統の呪法だろう。


五士
「金剛夜叉明王呪かー」


すると五士が興味深そうに呟いた。
金剛夜叉明王呪は身体強化する呪法。

美十の頭には赤い三角の火輪光が浮き上がっているので、五士の言う事は合っていると思われる。


監督官2
「では試合前の注意事項を説明する」
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