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怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第7章 選抜術式試験




五士
「あ、そうそう。用があって来たんだったわ」


話を止めさせるために割り込んだのだが、本当に五士は用があって来たらしい。
これであの話が終わる。

そう安心したが、その安心はすぐに消える事になった。


五士
「愛梨ちゃんの試合もうすぐだよ」

「え…!?」


私の試合は5試合目。
深夜が来る前に2試合目が始まっていたのでまだ時間はあると思っていた私は、慌てて試合場を見る。


深夜
「あ、ほんとだ。あれ4試合目でしょ」

五士
「深夜様と話し込んでたから気づいてないんじゃないかなーって呼びに来たんだよ」

「それを先に言ってください…!」


見た感じ4試合目は実力差があるので長引きそうにない。
変な話をしないで先に教えてくれればいいのにと思い、つい文句を言ってしまう。


「準備しておかないと…」


鉄扇の仕込み刃を露出させておかないといけない。
そう思って取り出しながら行こうとした時だった。


深夜
「愛梨ちゃん」

「?」


名前を呼ばれて鉄扇に触れた手も、歩きだそうとした足も止めて視線を向ける。


深夜
「さっき僕が引くの早いって言ってたでしょ?」

「言ったけど…」

深夜
「愛梨ちゃんが怪しんだ通り、考えがあるからしつこく聞かなかったんだ」


考えとはなんだろうか。
時間はないのだが、気になって続きを待つ。
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