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怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第7章 選抜術式試験




深夜
「やっぱりそこは言う気ないかー」


いつも通りその手の話題ははぐらかせてもらった。
それを深夜も聞く前からわかっていたのだろう。

無理に追求しようとはしないが、今日はやけに引くのが早い。


「やけに引くの早くない?」

深夜
「ん?そうかな?」

「そうだよ。それともいつもがしつこすぎるだけ?」

深夜
「あはは、愛梨ちゃんは今日も遠慮しないねー」


こんな風に深夜へと話すのは入学して少し経った今でも私くらいだろう。
というより、私がこんな口を聞いている事が他の生徒から避けられそうなくらいおかしいのだ。

今の所は知られていないから平気だが、深夜が私をやけに構うので友達という友達も私にはいない。


「遠慮もなにも、クラスに馴染む機会を奪われたからこんな態度とってるんだけど」

深夜
「あー、愛梨ちゃん女の子の友達いないもんね」

「…遠慮ないのはどっちよ」


女の子どころか友達が1人もいないのだからこれは嫌味と受け取らせてもらう。
深夜をじろりと睨むと彼から返ってきたのは笑顔。


深夜
「気にしてたんだ?ごめんごめん」

「心が全く籠ってない」

深夜
「そんな事ないって。愛梨ちゃんにも女の子らしい所あるんだなー、かわいいなーって思っただけ」

「…っ」


突然すぎたその言葉にはさすがに反応せずにはいられなかった。
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