怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】
第7章 選抜術式試験
私達生徒は軍事訓練もできる広大な演習場のような作りになっている校庭に集まっていた。
校庭には全校生徒がいるのでかなりの人数になっている。
今から始まる選抜術式試験は、1週間かけて行われる各学年の全生徒同士の勝ち抜き戦だ。
完全に個人戦なので、数回勝ち上がるとクラスメイトとも当たる今回の試験。
どこまで本気で戦うべきなのか私は考えあぐねていた。
担任
「あなた達、絶対に自分のクラス以外の相手に負けるのは許しませんからね!」
「………」
担任
「うちが1番のエリートクラスだって事をこの1週間で証明するからそのつもりで!」
でも担任のこの発言を聞く限り、下手に負けると責められかねない。
それに私の試合はまだ先だ。
同じクラスの生徒の実力を見て判断すればいいだろう。
もうすぐで第一試合が始まる。
まだ出番がない生徒達がそれぞれ好きな場所に移動し始めた。
グレン
「………」
「………」
私は特に移動せずに離れた場所に1人でいる彼を見る。
昨日の廊下での事があったからだろう。
深夜だけでなく五士も、そしてなんだかんだで構っていた美十も近づかないので完全に孤立している。
そう思っていると、試合が始まった。
実戦形式の試合は監督官が能力が高いと思った方を勝ちとするルール。
ただ、相手を殺してしまった場合は評定が下がってしまう。
それさえ守ればいいのだ。