• テキストサイズ

怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第7章 選抜術式試験




一瀬に負けたら柊の実子といえど、家から追い出されてもおかしくない程の大失態だ。
だからといって圧倒的な実力を持っているはずの柊の人間が、一瀬の実力をわざわざ聞きに来るなんて少しおかしい。

もしかすると征志郎は他の兄弟の様な強さは持ち合わせていないのではないだろうか。
じゃないとこんな風に待ち伏せてまでグレンと接触しようとする理由がつかないのだ。

深夜はなんと説明をするのか。
廊下の突き当り、通行の邪魔にならない場所の壁に体を預けて答えを待つ。


深夜
「初めは私も彼には力があるんじゃないかと。なにせ次期一瀬家の当主候補ならば、ある程度の実力は持っているのではないかと疑ったのですが…」


そう言って深夜はグレンを見下ろした。
こちらからはその顔は見えない。


深夜
「とんだ買いかぶりでした」


でもその声で察する事ができた。
あまりにも冷たすぎる声。
完全に軽蔑している。


深夜
「従者の女が殴られそうになっても、仲間が傷つけられそうになっても動く事のできないようなクズ。所詮、落ちた二流の家柄の人間です」

征志郎
「はは、なんだ。一瀬の人間はいっつもクズばっかりだな」


辛辣すぎる深夜の言葉を聞いて、征志郎はバカにしたように笑い出した。


征志郎
「こいつの親父がこの学校に通ってた時も廊下の隅をビクビクしながら歩いてたって聞いたが…お前も同じか」
/ 182ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp