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怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第7章 選抜術式試験




征志郎
「てめぇ、養子の分際で誰に意見してんだよ」

深夜
「申し訳ありません。しかし…」

征志郎
「しかしじゃねぇ…よ!」


深夜はすぐに謝罪をしたが、征志郎は許さなかった。
拳を引いて思い切り深夜の顔へと放つ。


深夜
「…っ」


あれくらいのスピード、深夜なら避けれただろう。
でも深夜は避ける事なく殴られた。

鈍い音がして、深夜の唇に血が滲む。


征志郎
「はは、いい判断だ」

深夜
「………」

征志郎
「お前じゃ俺には勝てないからな」


それを見て征志郎は楽しそうに笑っていた。
深夜はその横で口元の血も拭わずに黙っている。


征志郎
「その判断ができるからお前は親父に真昼の相手として選ばれた。それをちゃんとわきまえとけよ」

深夜
「…はい」


教室で接している深夜とはまるで別人だ。
毎日ニコニコと笑って仲良くしようと何度も話しかけてきた深夜。
彼はいつもこんな想いをしてきたのだろうか。


「…深夜」


それなら入学式の日、グレンに言っていた柊家が嫌いという事は本当なのかもしれない。


征志郎
「あと同じクラスなら聞かせろよ」

深夜
「…一瀬の事ですか?」

征志郎
「ああ、このネズミは強いのか?俺は選抜術式試験の2戦目であたるんだが…」


その事を聞きたくてここに来たのだろう。
どうやら柊の人間なら当日あたる相手をもう知っているらしい。
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