怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】
第7章 選抜術式試験
この学校には部活がないのですぐに用がない人はいなくなる。
部活がないのはそんな事をする時間があるなら、全員が呪術に関する勉強や修練を行うからだ。
私も同様に席を立つと、後ろからも椅子を動かした音が聞こえてくる。
深夜
「あ、一緒に帰る?」
グレン
「死ね」
全く会話になっていないがこれも別に珍しくないので気にせず私は帰る準備をして歩き始めた。
深夜
「愛梨ちゃんはー?」
「さようなら」
すぐに深夜に呼び止められたが、私は止まらずに目の前を通り過ぎる。
従者の女1
「グレン様!」
従者の女2
「ちょっと小百合。目立ったら殺すって言われてるのにまた怒られますよ」
そうして教室の出入口を見ると、そこにはこそこそと隠れながら室内を覗いている2人組がいた。
グレンの方を見ると2人を見て頭を抱えている。
彼も苦労していそうだ。
なにしろ目立たないようにと言われているのに今彼女達は教室中の注目を集めている。
美十
「まったく、女を2人も従者として連れてくるだなんて…一瀬家の人間はずいぶんと臆病なんですね」
男子生徒3
「ははは!」
女子生徒3
「ふふっ…」
バカにした美十の発言にクラス中が笑いに包まれた。
また一瀬をバカにする時間が始まったらしい。
五士
「ほんとほんと。それもあんなに美人ばっかり」
グレン
「………」