第7章 選抜術式試験

そしてこの質問でグレンには本当に実力がないのかどうかを見極めようとしている。



深夜
「あれを受けるのは相当なバカか、もしくは…」

グレン
「実力がないクズ、か？」

「………」


深夜を遮って言ったのは自虐的な言葉だった。
グレンの方を見ると彼はいつものようなヘラヘラとした笑い方ではなく、冷めた笑みを浮かべている。


グレン
「言っとくが、俺は後者だぞ。お前は俺の力を買いかぶりすぎてる」

深夜
「って自分で言う奴は怖いってのが僕の今までの経験なんだけどなー」

グレン
「警戒しすぎだ」


念を押すように否定したグレン。
でも深夜の言う通り、ここまで否定されると逆に怪しい。


グレン
「そうそうお前とやりあえるような化け物がいると思うか？お前は柊家に…真昼の相手に選ばれるような奴なんだろ？」

深夜
「いやー、そこにやりあえそうな子いるけど…」


そう言って深夜はこちらを見てきた。


「………」


そんな深夜を私は愛想笑いを消して見つめ返す。


深夜
「…おっと。怖い怖い」

グレン
「…？」


グレンは誰の事かわかっていなかったようだが、深夜は笑みを消した私を見てすぐに視線を戻した。


深夜
「続けてよ」

グレン
「…少なくとも俺は選ばれなかった」


訝しげな表情を浮かべながらもグレンはまた話し始める。
自分の自虐を淡々とだ。