怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】
第7章 選抜術式試験
退屈な授業を終えた後のホームルーム。
いつもこの時間は眠いのだが、今日は担任のテンションが異常に高くて眠気が冷めてしまった。
担任
「さーてさて!明日からついに選抜術式試験週間が始まります!!」
張り切っている担任は黒板に選抜術式試験と書いている。
選抜術式試験とは生徒同士を直接戦わせて優劣を決める試験。
この試験で成績の大半が決まってしまうので、担任だけではなく生徒達も色めき立っていた。
深夜
「いいよねぇ。本気で戦わなくても退学にならない奴は気楽でさ」
そんな中でも後ろの2人は全く緊張感がない。
深夜
「君と違って僕らは頑張らないと退学だからね。ねえ、愛梨ちゃん」
「私はともかく深夜様は余裕でしょう。そんな心配いらないのでは?」
深夜
「そんな事ないよ〜」
愛想笑いを貼り付けて敬語で話しても教室なら深夜は文句を言わないので、いつも通り一般生徒を演じて会話をする。
すると怪我をして以降、あまり深夜とも話さなかったグレンが珍しく顔を上げた。
グレン
「俺を一発殴るだけで殺しかけるような奴が俺を羨んで焦りを感じるってのか?」
深夜
「はは、君が避けないからだよ。というか君は本当に僕の攻撃を避けれなかったの?」
グレンの嫌味を笑い飛ばし、深夜は自分の聞きたい事に話を変える。
多分、この質問を本人にぶつけたかったのだろう。