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怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第6章 始まった学校生活




深夜
「真昼は僕の事を何とも思っていないからね。用済みになったら捨てられるだけだよ」


でも情報では真昼は深夜の事を会った日に気に入り、付き合ったとなっていた。
これでは話が違う。


「用済みって…」

深夜
「僕は隠れ蓑なんだ。彼女が想い人と一緒になるまでの婚約者」


まさか2人にそんな秘密があるなんて思いもしなかった。
しかもそれは柊の関係者達でも知らないはずの事で、私に軽々しく話していい内容ではない。


「それ、私に言っていい訳ないよね?」

深夜
「うん。真昼が知ったら殺されちゃうかも」


じゃあ何故話してしまったのか。
歩みを止めて、深夜を見る。


「どうしてそれを私に話したの?」

深夜
「…彼女の想い人を君も知ってるからだよ」


深夜は私の事をほとんど調べれていないと言った。
つまりその想い人とやらは、私がこの学校に来てから知り合った存在になる。


「まさか…」


しかもこの話の流れで言ったのだ。
自ずと1人の姿が浮かんできた。


深夜
「そう、ご察しの通り一瀬 グレンくんだよ」

「………」


言葉が出ない。
一瀬家と柊家はまた恋に落ちてしまったのだ。
結ばれる可能性が低すぎる恋は、どこか昔の恋物語を連想させる。


「だから隠れ蓑に…」

深夜
「さすがに一瀬の人間を好きだって言ったらいくら期待されてる真昼でも立場がなくなるからね」
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