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怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第6章 始まった学校生活




それはそうだろう。


「真昼の想い人だから変に期待してるんだ?」

深夜
「まあね。真昼もグレンはきっと強いって言ってたし」

「真昼が、か」


これで深夜がグレンの事を異常なまでに期待している理由がわかった。
でも根拠が薄くなったのも事実だ。


「恋は盲目って言うけどね」

深夜
「あー、確かにグレンの事を話す真昼はただの女の子だったからなー」

「普段も充分女の子らしく見えるけど?」


新入生代表の挨拶の時に見た感じではとても可憐で、誰よりも女の子らしい人だと私は思った。
女の私でも見惚れる程のだ。


深夜
「あはは、表向きはね」


それを深夜は笑いながら否定する。


深夜
「実際はグレンの為ならいつか暴走するんじゃないかって位の怖い女だよ。可憐なんかじゃない」

「それもある意味女の子らしいけどね」


この言い方からするに、真昼のグレンへの気持ちは危うさを感じさせる程なのだろう。
強すぎる故にどんな行動を起こすのかわからない。


「じゃあ深夜はこれから苦労するね」

深夜
「そんな他人事みたいに…」

「他人事だもん」


そう、私にとってそれは完全に他人事だ。
情報をくれた深夜には感謝するが、関わろうとは思えない。


「まあ、頑張って」

深夜
「ちょっと愛梨ちゃーん」


そう言って歩き始めた私に深夜は追いつこうと小走りでついてきたのだった。
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