怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】
第6章 始まった学校生活
「深夜と同じ様な人間だよ」
深夜
「え…」
私と深夜は少しだけ共通点がある。
養子だという事と、婚約者候補として戦ってきた事だ。
それに深夜は途中で逃げられた私と違って生き残ったので、私以上に殺しをしてきたと思われる。
頭がいいだけでなく、殺し慣れている彼にあまり情報を与える訳にはいかない。
「他に話はある?」
深夜
「これ以上聞いて何か教えてくれる?」
「この件に関しては何も言わないよ」
深夜
「だよね〜」
私の返答を聞いて深夜は諦めた様子だった。
深夜
「あーあ。愛梨ちゃんにははぐらかされるし、グレンは期待外れの可能性が高くなったしで残念な日だなー」
ぐーっと体を伸ばしながら愚痴を言う深夜。
私の事は仕方ないとはいえ、グレンは本当に期待通りの実力者の可能性だってまだある。
「でもグレンに何かを感じたのは事実なんでしょ?」
深夜
「そうなんだけどね…」
「だったら程々に期待してればいいんじゃない?深夜は最初から根拠がないのに期待し過ぎ」
深夜はグレンへ過度の期待を寄せていたが、結局根拠は1つも教えてくれなかった。
つまり本人が言う通り、感なのだろう。
深夜程の実力者がそう思うのだから完全に否定はできないが、期待し過ぎるのもよくない。
「グレンに違和感を感じてるのは私もだから」
深夜
「へぇ…」