怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】
第6章 始まった学校生活
グレン
「………」
声をかけられて振り返ったグレン。
でも声をかけてきたのが深夜だと分かると、何も答えずに2人の戦闘へと視線を戻していた。
深夜
「君もあの程度の戦闘からは学べる事ないでしょ?」
グレン
「………」
グレンは何も言わない。
これはいつもの事だが、グレンは深夜が話しかけても基本まともに話そうとしないのだ。
深夜
「この10日、ずっと君の事見てたけど殴られ方も上手いよねぇ。ダメージ受けない様にしながらも派手に吹っ飛ぶ」
グレン
「てめぇ、ストーカーかよ」
「同感」
深夜
「あはは、2人共酷いな」
こんな事を言われても尚、深夜は笑っている。
しかも小さく呟いただけの私の言葉もちゃんと拾っているからタチが悪い。
深夜
「でも未来の柊潰しの仲間がどれくらいの実力持ってるか気になるじゃない」
グレン
「俺はお前の仲間にはならない」
「…断られてるし」
これもいつもの光景だ。
何故か深夜は弱いはずのグレンに過度の期待を寄せ、入学式の日から構い続けている。
深夜
「じゃあちょっとさ、僕と組手してみない?そろそろ実力見せてよ」
「………」
深夜は組んでいた腕を解いてグレンに拳を向けた。
その瞬間、私はすぐにこの場所から離れる。
五士/美十
「!!」
女子生徒1
「嘘…」
男子生徒1
「深夜様は本気か…?」