怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】
第6章 始まった学校生活
美十
「…もう!」
その様子を私と同じく気にしていた十条 美十。
彼女は私との組手をやめてグレン達の方へと向かってしまった。
「………」
相変わらずこの学校は柊や幹部級の子供が好き勝手にできる所だ。
相手がいなくなった私も仕方なくそちらへ近づく。
美十
「ちょっと!あんな事を言われて悔しくないのですか!?」
グレン
「………」
背後から話しかけられたグレンはゆっくり振り返った。
美十
「第一あなた真面目に戦っていないでしょう?相手が強くて勝てないからって、初めからやる気がないのはどうかと思いますよ」
何故か十条 美十は苛立ち、グレンを睨みつけている。
自分とは関係のないネズミのグレンを彼女が構う理由がわからない。
グレン
「だが、相手はあの五士家の長男だぞ?俺なんかが勝てるはず…」
美十
「十条家の事を知らなかったのに二流の五士家を知ってるだなんて、いったいどういう事ですか!?」
グレンの言葉を聞いて余計に怒り出した美十。
でもその怒りはタメ口で話した事ではなく、話の内容だったらしい。
ただ気になるのはそんな事ではない。
グレンは五士や深夜には敬語を崩さなかったのに、彼女には平気でタメ口を使っている。
2人が知り合いだったかなんて情報は聞いていない。
五士
「あ?誰が二流だって?」
そんな面倒な状況になってきた時だった。