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怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第5章 高校への入学




深夜
「ふふっ」

「………」


私が思わず漏らした言葉を聞いて笑う深夜が腹ただしい。
でも勘違いしてしまったのは私だから文句は言えなかった。


校長
「長くなりましたが私からの話は終わりにして、新入生代表からの挨拶に移しましょう」


ちょうど私達の話が終わった時、長かった話が終わりを迎える。
時間が潰せてある意味良かったのかもしれない。


校長
「今年の新入生代表は満場一致で決まりました。あの柊家の御息女をこの学校に迎える事ができた事を光栄に思います」


校長が頭を下げて後ろに下がると、1人の少女が舞台袖から現れた。
かなり長い綺麗な灰色の髪に、凛とした強い瞳。
一見冷たそうな程に整った顔立ちをしつつも、近寄り難さを感じさせない雰囲気。


生徒達
「………」


あれ程ざわつき、賑わっていたはずの講堂も異常なまでに静まり返っている。
全員が彼女に見とれていたのだ。

柊家だからという訳ではなく、彼女自身の強い光によって目を奪われてしまっている。


真昼
「ご紹介ありがとうございます。新入生代表としてご挨拶させていただきます、柊 真昼(ひいらぎ まひる)です。よろしくお願いします」


澄んでいて、よく通る綺麗な声。
その声だけで魔法にかけられてしまいそうだった。


「………」


私もこんな目的がなければ他の生徒同様に見惚れていただろう。
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