• テキストサイズ

怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第5章 高校への入学




深夜
「えーと、一瀬 グレンくんだっけ?グレンって呼んでいい?」

「!?」


親しげに深夜が話しかけていた相手はなんと、柊が最も嫌う一瀬の人間であるグレンだった。
その有り得ない行動につい驚いてしまう。


グレン
「私に、お声がけでしょうか?」


さすがにグレンも驚いたのだろう。
言葉を途切れさせながらも敬語で答えている。


深夜
「何その敬語?」

グレン
「柊家の方には逆らうなと、厳しく教育されておりますので」

深夜
「え〜、つまんないな〜」

グレン
「申し訳ありません」


それから会話が聞こえてこなくなった。
ただの気まぐれだったのか。
そう思った時、僅かに空気が変わったのを感じた。


深夜
「でもさ、今朝お前わざと僕の攻撃喰らったろ?」

グレン
「………」


先程までのお巫山戯とは違い、少しトーンを落とした声で問いかけた深夜。
グレンはその問いの返答をすぐにできなかった。

何の話かはわからないが、その沈黙は肯定と語っている様なものだ。


深夜
「あれ、なんでかなぁ?実力を隠す為かな?」

グレン
「………」

深夜
「それって柊に逆らう気満々って事じゃないの?野心、丸見えなんだけど」


問い詰めている深夜は何故か楽しそうだった。
それもバカにしている一瀬が相手だから楽しんでいるという訳でもなさそうな言い方だ。
/ 182ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp