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怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第5章 高校への入学




深夜
「あれ、なんでこんな静かなの?」


遅く来た事や教室の空気は全く気にせずに堂々と入ってきたのは深夜だった。
誰にともなくされた質問に、もちろん生徒達は答える事ができない。

だからそんな生徒達に代わり、教師が深夜の前へと歩みでる。


担任
「こ、これは深夜様。ようこそ私のクラスへ、お席はこちらでごさいま…」

深夜
「えー、嫌だよ。そんな前の席」


教師は予定通りグレンから1番離れた席へと座らせようとしたが、深夜は言葉を遮って不満を漏らした。


担任
「え、あの…」


まさかの言葉に動揺して言葉が出ない教師。
そんな教師を置いて、深夜はずんずんとこちらへ歩いて来た。


深夜
「僕そっちの席がいいや。だから替わってもらえるかな?」

「え…」


深夜が声をかけたのは私ではない。
私の斜め後ろ、つまりグレンの横の席に座る女子生徒に声をかけたのだ。


女子生徒
「でも…」


女子生徒はちらりと隣のグレンを見てどうしていいか悩んでいた。
それもそうだ。
あれだけ教師がバカにしていた一瀬の人間の横に高貴な柊の人間を座らせていいはずがない。


深夜
「ね?僕ここがいいんだ。席、替わってくれないかな?」

女子生徒
「あ、はい!もちろんでございます!」


でも柊の頼みを断れる訳がなかった。
慌てて荷物を纏めると女子生徒は急いで席を離れる。
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