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怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第5章 高校への入学




むしろその光景を楽しそうに見続けている。


グレン
「はは」


それにこんな目に遭っている当の本人も何故かへらへらと笑っていた。
やはりグレンの事は全くわかりそうにない。


「………」

グレン
「………」


へらへらと笑うグレンと目が合った。
笑っていない私を見ても彼は笑い続けている。

ただの負け犬かとも思ったが、道化を演じているのかもしれない。
グレンは表情こそ笑っているものの、目は笑っていないように見えたからだ。


担任
「ではみなさん、そろそろ前を向きましょうか」


しばらくはグレンの事を笑いものにしていたが、もうネズミで遊ぶのには飽きたのだろう。
スイッチを切り替えた教師が真面目な話に戻した。


担任
「もうお気づきでしょうが、このクラスにはあの深夜様がお通いになります。その身に余る光栄を…」


柊の人間は教師からも様づけで呼ばれる。
関係者ではなかった私から見るととても奇妙すぎる光景だ。

しかも生徒達も夢を見るような幸せそうな表情で話を聞いている。
普通ならこんなクラスでやっていけそうにはないが、なんとか頑張るしかない。


担任
「深夜様と共に学べるという事に感謝をして…」

生徒達
「!!」


柊の人間がいかに素晴らしい存在であるかを更に話そうとした時、教室の扉が音を立てて開いた。
全員の視線が集まり、それと同時に緊張が走る。
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