怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】
第5章 高校への入学
当主様に見せてもらった写真の通り、珍しい白い髪。
薄く微笑む彼はグレンを見ていた。
「………」
でも私はすぐに目線を外して校舎へと入る。
私のターゲットは柊の人間。
柊 深夜は柊の人間ではあるが、あくまでも養子なのでターゲットには含まれていないからだ。
*****
クラスを確認して教室へと入る。
私は1年9組だった。
入口から私は1番離れた席の前の席だったので人の間を通り席に着く。
そして振り返り、後ろの席を見た。
「………」
まだ席の主は来ていない。
それでも先程自分の席を確認する際に名前だけは見た。
一瀬 グレン。
クラス名簿によるとこのクラスには帝ノ鬼の中でも幹部クラスの子女が多く在籍している。
十条家に五士家に三宮家。
更には柊の人間までいる。
こんなクラスに私が入れられている理由は恐らく幹部クラスの子女達に一瀬を近づけたくないからだ。
だから評価が高かった私や他の生徒をグレンの席の周りにしたのだろう。
その証拠に柊の席はグレンから1番遠い入口の近くにある。
グレン
「………」
それからしばらくしてグレンは来た。
従者がここまでついて来なかったという事は、クラスをかなり離されたようだ。
優秀な従者が傍にいないのなら大変だろうが、一瀬の人間はずっとこうされてきたらしい。
だから彼もそれはわかった上で来ているはずだ。