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怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第10章 本当の実力と柊のやり方




グレン
「お前くそみてぇにめんどくせえ奴だな」


暮人の言葉にうんざりしたように顔を歪めているグレン。


暮人
「はは、それが本来の口調か」


そしてそんなグレンとは反対に、暮人は楽しそうに笑っている。
しかも暮人は先程下ろした刀をまた掲げていた。


暮人
「まあ、力を試せる程の相手にはそうそう巡り合えないんでな。楽しませてもらうぞ」


この様子からまだこの2人の戦いは続くのだと理解する。


「グレンは嫌がってるけど生徒会長様は戦う気らしいよ」

深夜
「…………」

「深夜?」


深夜に状況を伝えたが、返事がない。
気を失ってしまったのかと思って確認すると、深夜の目はちゃんと開かれていた。


深夜
「……戦わないよ」

「え?」


しかも数拍置いてから離し始めた深夜は、私が伝えた事を否定してくる。
どういう事なのか。


深夜
「暮人兄さんにはもう戦う気はないはずだ」

「どういう……」


不思議そうな私に短く教えてくれるが、情報量が少なすぎる。
だからもう少し詳しく聞こうとした時だった。


グレン
「ああ、ダメか……」


耳に入ってきたどこか諦めてしまったようなグレンの声に顔を上げる。


グレン
「くっ……」

「……なにあれ」


私が見たのはグレンの体が崩れ落ちる瞬間だった。
深夜の方を見ていた為、何がおきたのかがわからない。
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