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怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第9章 戻った日常




まさかの命令。


深夜
「いやいや、なんで僕が…」

暮人
「俺に逆らうのか?」


もちろん深夜は文句を言って流そうとしたが、暮人はそんな事を許さない。


暮人
「それともお前もそいつの仲間か?」


断るならグレンの仲間とみなす、そう言いたげな暮人に断る方法などないに等しかった。


深夜
「面倒だな〜」


深夜もすぐにそう判断したらしい。
嫌そうな顔をしながらも、グレンの方へと視線を向けた。


深夜
「じゃあ悪いけど、兄さんの命令だからやるよ?」

グレン
「え…」


殺さない程度の攻撃をするだろう。
そしてグレンは恐らくそれを避けない。


「………」


ならば被害を受けないように少し離れておくべきだ。
そう思った私は、少し後ろに下がって様子を見る。


グレン
「………」


呪詛を纏った深夜の拳がグレンの胸元に向かっていく。
グレンはやはり受けるつもりのようで、じっとその拳に反応できないふりをしながら待っていた。


深夜
「!?」


だが、その拳はグレンに届く前に止められてしまう。


暮人
「なぜお前は手加減をする」


止めたのは命令した本人である暮人だ。


深夜
「ぐぁっ」

「深夜!」


しかもただ止めただけでなく、暮人は深夜の腕をねじ上げる。


深夜
「くっ…」

「…!」


痛みに顔を顰めた深夜に思わず近づこうとするが、深夜は目だけで来るなと訴えてきた。
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