怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】
第9章 戻った日常
担任
「はい、目を開いてください」
これで今日の黙祷は終了。
今からようやくホームルームが始まる。
担任
「今日は重要な話があります」
「………」
そう前置きしてから再開された担任の話。
担任
「あの襲撃によってみなさんの実力を確認する為に最も大切な選抜術式試験が中断されてしまいました」
選抜術式試験は評価に大きく関わるので生徒達にとっては大事な試験だ。
それを中断したせいでしっかり実力を見て貰えなかったとなると、該当する生徒は不満に思うだろう。
担任
「なので突然の事ですが、評価が終わっていない生徒を今日再度試験する事になりました」
男子生徒1
「き、今日…」
男子生徒2
「マジかよ…」
突然の再試験にざわめく教室。
でもどうせこれは建前なのだから、彼らは安心していい。
担任
「と言ってもこのクラスの生徒の実力はほとんど評価が終わっていたので安心してください。評価が終わっていないのは…」
そこで言葉を止めた担任は視線をこちらの方へと向けた。
担任
「Aランク評定に決まっている柊 深夜様。更に十条家の才女、美十さんと五十家の典人さん」
メンバーはクラスでも最も実力のある3人。
強い人同士で試合をさせるつもりらしい。
グレン
「…どうせ俺も呼ばれるんだろ?」
深夜
「そうだろうね。例の内部調査が始まったって事だ」