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怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第9章 戻った日常




「柊 暮人か…」


私がいつか殺さなくてはいけない男。
間違いなく殺す予定の人間の中で1番強いだろう。


深夜
「愛梨ちゃんも注意しなよ?」

「え?」


結局暮人がいる方には目を向けられないまま、演習場の端へと向かっていた時に言われた言葉。
足を止めて深夜を見ると、真剣な顔をしていた。


「どういう意味?」

深夜
「さっき言ってた内部調査の事だよ」

「別にいつも通りにしてれば大丈夫じゃないの?」


今でこそ深夜との距離が近くなってしまっている私。
だが、身分や実力としては普通の生徒と変わらないと把握されているはずだ。

だからいつも通りで平気だと勝手に思っていた。


深夜
「厳しいと思うよ?一応愛梨ちゃんはグレンに近しい人物の1人なんだから」

「!?」


そんな呑気な考えは、深夜に一瞬で打ち消される。

なぜその事を知っているのか。
一瀬家と零崎家の関係はどこまで漏れてしまっているのだろうか。


「なんで…」


平静を保つ事もできない。
完全に動揺してしまっていた私は、気がつくとそう聞いてしまっていた。


深夜
「顔色変わった…」

「…?」


でもそこで違和感に気がつく。
私に一瀬との関係を突然突きつけてきた深夜自身が、驚いていたのだ。


深夜
「何か事情がありそうだけど、とりあえず安心しなよ。僕は君の情報を手に入れた訳じゃない」
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