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怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第9章 戻った日常




深夜
「校舎。3年1組の窓」


その位置なら私からは見にくい。
わざわざそちらを見ると怪しまれるので、私はそちらを見ようとはしなかった。


深夜
「視線は向けるなよ?気づかれるから」

グレン
「………」


グレンは深夜の注意に返事をせずに疲れたように首を回す。
自然と見るのが上手い。


「見えた?」

グレン
「…ああ」


本当に一瞬しか見えなかっただろうが、グレンは柊 暮人を視界に捉えていた。


グレン
「あれがこの学校の生徒会長か…」

深夜
「柊 暮人。真昼と次期当主の座を争っていた奴だ」


真昼が裏切った今、次期当主の座は暮人が手にしたようなものだろう。
私はそんな暮人の実力を実感していた。

なぜなら、全く深夜の言う方角から視線を感じないからだ。
見られているとわかっているのに感じない。

それだけで暮人は只者じゃないとわかる。


深夜
「じゃあグレン」

グレン
「なんだ」

深夜
「見られてるから殴るよ?」


まあそうなるだろう。
このまま別れると、深夜はグレンと繋がっていると判断される。


深夜
「僕と君が繋がってる事を暮人に勘ぐられたくなければ、素直に殴られ…」

グレン
「…っ!」


深夜の言葉を最後まで聞かずに動き出したグレン。
彼は遅すぎるスピードで深夜に殴りかかってくる。


深夜
「遅いよ。一瀬のクズ」
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