怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】
第9章 戻った日常
真昼は女の私ですら見惚れる程の美人。
そんな彼女の幼少期なんて美少女だったに違いないが、柊に生まれた真昼は普通の女の子よりは不幸だっただろう。
それでも親に売られ、なりたくもない婚約者になる為に殺し合いを続けてきた私の幼少期よりは幸せだったはずだ。
深夜
「まあそんな話は置いといて、内部調査は柊 暮人生徒会長が率いる特務チームが動くってさ」
グレン
「それが?」
深夜
「わかってないな〜。君、狙い撃ちにされるよ」
これだけ弱者を装っていてもグレンが疑われる。
それは仕方のない事だ。
「そりゃ、一瀬が1番わかりやすい動機持ちだし疑われるよね」
深夜
「その通り。グレンの評定をこっそり見たけど、君のその弱さで生き残れるはずかないって評価だったよ」
確かにグレンが生き残ったのが偶然という言葉で片付けるには無理がある。
なにせあの襲撃で600人いたはずの生徒が、今では180人しか残っていないのだ。
それだけ殺されたのに一瀬が生き残れるか。
否、奇跡でもおきない限り不可能に近いと思われる。
深夜
「だからめちゃくちゃ疑われてる君は今も監視されている」
グレン
「…監視はいつもの事だろう」
「いつものってそんなの最悪…」
常に行動を監視されているなんて私には耐えられない。
でもグレンは飄々としている。
グレン
「どの監視だ?」