怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】
第9章 戻った日常
グレン
「じゃあ消えろ」
深夜
「ちょっと待ってよ。柊側の情報流すから」
このタイミングで流せる柊側の情報となると恐らくだが、あの襲撃に対する帝ノ鬼の対応についてだろう。
当初はどの組織が襲ってきたのかさえわかっていなかった。
でもあれから1ヶ月以上も経過しているのだ。
あの柊が何も情報を手に入れてないなんて事はありえない。
グレン
「柊はどこまで知ってる?」
「百夜教だって事くらいはもうわかってるでしょ」
深夜
「愛梨ちゃん、正解」
さすがにそれはもうわかっているようだ。
深夜
「でも水面下の事とはいえ、この国の第一位と第二位の勢力を誇る宗教団体の戦争が始まっちゃったなんて本当に大変な事になったな」
「本気でぶつかり始めたら日本は滅亡しそうだね」
百夜教だと知った柊は間違いなく警戒している。
また襲撃してくる事があれば万全の体制で迎え撃つだろう。
グレン
「お前らの感想はどうでもいい。続けろよ」
深夜
「いやー」
グレン
「は?」
そんな私達の会話を遮ったのは情報だけが欲しいグレン。
でも深夜は首を振って続きを話さない。
深夜
「1つ情報あげたんだから、グレンも何か僕に対価くれてもいいんじゃない?」
グレン
「ないな」
そして対価を求めたが、グレンはバッサリと切り捨てた。
深夜
「じゃあもう少し情報を開示しようかな」