怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】
第9章 戻った日常
深夜は慣れているからか、女子達の事は全く気にせずにグレンの目の前で立ち止まった。
深夜
「そのクズをいじめるのは僕がやるから、みんなは自分の修練をしなよ」
生徒達
「はい!」
たったそれだけで、あれだけいた生徒達は1人残らずいなくなってしまう。
さすが柊様といったところだ。
グレン
「相変わらずすごい権力だな。養子のくせに」
私と深夜以外は話が聞こえる範囲にいない。
だから素を出して遠慮なく話し始めたグレン。
「…ふふっ」
深夜
「ちょっと、なんでそこで君が笑っちゃうの」
そちらに近づきながら思わず笑うと、深夜から文句を言われてしまった。
深夜
「でもグレンの方こそ相変わらずのいじめられっ子っぷりだね〜」
グレン
「まあ、お前らと違ってクズだからな」
「お前らって王子様な深夜と一緒にしないでよ」
まさか私まで深夜と同じような扱いにされるとは思わなかったし、王子様な深夜と同類にされるのも嫌なので否定しておく。
それにどちらかといえば、私はグレン側だ。
グレン
「はは、お前を嫌う女っているんだな」
深夜
「愛梨ちゃんには嫌われてないって。大切な仲間なんだから」
グレン
「仲間って例のやつか…」
自分も勧誘されていたのでわかっているのだろう。
値踏みするような視線が私に向けられる。
「何?」
グレン
「いや…」