怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】
第9章 戻った日常
だからこそ、その予定が深夜の考えている通りにはいかないのではと思ってしまう。
男子生徒1
「おい、一瀬のクズがなに怠けてんだよ」
男子生徒2
「立って俺らの相手してくれよ。ボコボコにしてやるから」
「いつもの揉め事?」
ここの生徒なら特に驚きもしない騒ぎ。
どうせいつも通り、グレンをバカにしているのだ。
深夜
「だね。じゃあ可哀想な僕らの仲間を助けに行くとしようか」
「え」
それだけ言って深夜は揉めている彼らの元へと歩き始めてしまう。
もちろん深夜は私も一緒に来ると思っているだろう。
だから仕方なく、私も深夜の後を追いかける。
男子生徒3
「おい、聞いてんのかよ!このクズが!!」
グレン
「ぐぁっ」
近づくと何が起きているのかはすぐにわかった。
グレンはクラスメイトの男子に胸元を蹴られ、呻いている。
生徒達
「あはは!」
その光景を見て周りの野次馬は笑い出す。
案の定、いつも通りの最悪な光景。
深夜
「おいおい、弱い者いじめはそのくらいにしとけよ」
でもこれが終了の合図だ。
深夜が声を出すだけで、すぐに生徒達は静まり返る。
深夜
「ほら、こいつに近づきすぎると一瀬のクズ菌がうつるぞ」
女子生徒1
「深夜様!」
女子生徒2
「深夜様…」
先程まではグレンを見て笑っていた女子生徒達だが、深夜が近づいた途端にうっとりとしていた。