第9章 戻った日常

深夜
「その代わり１つ条件を出してもいい？」

「内容によるけどそれでもいいなら」


一応そうは言ったが、深夜はあれで納得してくれた。
だから余程の内容じゃない限りは条件をのむつもりだ。


深夜
「僕と協力しようよ」

「協力？」


深夜の言う協力という言葉だけでは内容がよくわからない。
首を傾げると、深夜は頷いた。


深夜
「愛梨ちゃんは征志郎に敵意を持っているし、僕は柊を潰したい」

「そうだね」

深夜
「だから同じような目的を持っている者同士、協力し合おうよって話」

「なるほどね…」


敵意という言葉を使ってはくれているが、深夜は私が征志郎をさっき話した内容と違う目的があって殺そうとしていると気づいている。
それを承知の上で、深夜は私をグレンのように勧誘しているのだ。


「別にいいよ」

深夜
「愛梨ちゃんならそう言ってくれると思ったよ」


特にこちらにはデメリットがない。
深く考えずに了承すると、深夜も嬉しそうに笑ってくれた。


深夜
「じゃあこれからは仲間として仲良くしようよ」

「おっけー。とりあえず深夜と一緒に行動すればいいんでしょ？」

深夜
「そうそう」


どうせクラスメイト達にはもう深夜と親しいと思われてしまっている。
それを知って近づいてくる人なんていないし、そもそも仲良い人もいないからこの条件は逆にありがたいかもしれない。