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怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第8章 乱入者




五士や美十のように優秀な人なら今の会話に踏み込んでくるはずだ。
それをわかっているからか、深夜は話を終わらせてさっさと歩き始めた。


五士
「おい、グレン。今のいったいなんだ?」

グレン
「…さあ?」


わざわざ深夜を引き止めて聞く訳にはいかないとでも思ったのだろう。
五士は小声でグレンへと質問するが、グレンははぐらかしている。

深夜だけでなくグレンも彼らには情報を教えないつもりのようだ。


「………」


ただ怖いのは、そこまでして教えたくない情報を私は知ってしまっている。
いずれグレンか深夜、最悪の場合は百夜教が接触してくるかもしれない。

そんな事を考えていた時だった。


「…!」


私のすぐ横に誰かが飛び降りたのだ。
普通なら気配で気づくのだが、考え込んでいたせいで反応が遅れてしまった。


「深夜…?」


わざわざ私の横へ降りてきたのは先程まで上にいた深夜。
他の3人は私がいる事に気づいていたが、深夜はいつ気づいたのだろうか。
そしてなんの為にここに来たのか。


深夜
「………」

「………」


私の事を何も言わないまま見てくる深夜の真意がわからず、黙って見つめ合うという変な状況ができてしまう。


深夜
「…愛梨ちゃん」

「ん?」


その状況が面白くなったのか、少しだけ口角を上げた深夜がようやく声を出した。
返事をすると深夜はこちらに近づいてくる。
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