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怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第8章 乱入者




私でも真昼が裏切り者とわかったのに深夜がわかっていないはずがない。
つまり深夜は黙っているつもりなのだ。
敢えて百夜教や裏切り者の事を2人に共有しないらしい。


深夜
「これからどうする?」

グレン
「………」


そしてこれ以上は真昼の事に触れずに、深夜はグレンへと問いかけた。
ただグレンは何も答えない。

いや、五士と美十がいるので何も言えないという方が正しいだろう。


グレン
「なぜあなたの許嫁である真昼様の事を私に聞かれるのですか?」

深夜
「!」


結局グレンは演技をして答えた。
深夜も一瞬驚いたが、すぐに呆れた顔に変わる。


深夜
「お前は…」

グレン
「むかつくって?」

深夜
「…わかってるならやめろよ」

美十
「え…」


笑いながら深夜の言葉を遮ったグレン。
それに対して普通に深夜が話すと、美十の戸惑う声が聞こえた。
少し前まで深夜はグレンの事を虫けらのように嫌っていたので、この変わりように戸惑うのは仕方ない。


グレン
「はは、ちょっと疲れた。話は後にしよう」

深夜
「後で間に合うのか?」

グレン
「間に合うどころか、とっくに手遅れだ」


もちろん美十の戸惑う声は聞こえただろうが、2人はそんな事気にしないで話していた。
しかも手遅れとまで言ってしまっている。


深夜
「お前がそう思うなら、そうしよう」
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