怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】
第8章 乱入者
女子生徒4
「こ、これで助かる!!」
男子生徒6
「あいつらを殺せ!皆殺しにして帝ノ鬼に手を出した事を後悔させてやれ!!」
これで助かる。
そう思ったからか、生徒達は突然強気になり始めていた。
でもいくら帝ノ鬼の主力部隊が来たからといって、この状況ではなかなか敵を殺す事は難しい。
つまり百夜教が撤退するか、主力部隊に保護されるまでは自力で生き残らなくてはいけないのだ。
男子生徒7
「真昼様が!真昼様が捕えられた!!」
男子生徒8
「た、助けろ!お前ら命にかえても真昼様をお助け…ぎゃあああ!!」
だからまだ油断はできないと思った矢先に遠くから聞こえてきた悲鳴。
どうやら真昼が百夜教に捕えられたらしい。
なぜ百夜教が真昼を連れ去る必要があるのか。
その疑問は考えるまでもなかった。
「…裏切り者は柊 真昼」
そう考えれば全ての辻褄が合う。
柊 暮人よりも優秀な人間と言われて深夜は婚約者が裏切り者だとわかったから、あんな反応を見せた。
真昼を捕らえた理由は斉藤が言ってた目的の1つ、協力者を回収する為だろう。
「…っ」
あの柊 真昼まで敵となると迂闊に動けない。
痛む左腕を押さえ、試合場に背中を預けて座り込んだ。
こうしていると敵は前からしか現れないので、後ろから突然攻撃される事はなくなる。
後はじっと耐えて生き残るしかない。