怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】
第8章 乱入者
グレンが力を隠していた事から、一瀬が柊に服従していないのはわかった。
そしてその横にいる深夜も柊を潰そうとしている1人で、私は柊の人間を殺そうとして潜入している。
3人とも裏切り者と言われてもおかしくないが、斉藤は他にも柊を潰そうと行動している人がいるというのだ。
グレン
「…もしかして、情報を売ってたのはお前か?」
「………」
先程からの斉藤との会話などを聞いて2人ではないと私は判断していた。
でもグレンは深夜へとそう問いかけている。
深夜
「これがショックな事に百夜教は僕には1度も接触してきてないんだよね」
グレン
「じゃあお前か?」
肩を竦めて答えた深夜。
やはり彼はその裏切り者ではない。
それを聞いたグレンはターゲットを私へと変える。
「違う。百夜教の仲間になんて考えたくもないし、そいつも私の事は調査すらできてなかったじゃない」
グレン
「…確かに一理ある」
「でしょ?」
斉藤は明らかに私の事だけは知らなかった。
グレンもそれは理解しているので、すぐに納得できたらしい。
グレン
「じゃあこの場では1番疑わしいのはお前だな」
深夜
「いやいや、接触してないって言ったよね?」
そして深夜へとまた疑いを向けた。
でもグレンの言いたい事も理解できる。
百夜教はグレンに協力を持ちかけたらしいが、それ以上に権力を持っている深夜の方が役に立つと誰でもわかるからだ。