怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】
第8章 乱入者
彼の体は斬られた所からじわじわと赤く染まっていき、鎖も塵へと変わっていた。
グレン
「なあ斉藤。なんでお前の体が赤く染まるかわかるか?」
そんな私達の会話が聞こえていたのだろう。
グレンは斉藤へと話しかけているが、その内容は私達の会話についてだ。
グレン
「お前は剣の呪いで餌に変えられてるんだ」
斉藤
「…!」
グレン
「呪われたお前は剣の餌になる。喰われたら最後、お前は一生剣の中でのたうち回る事になる」
斉藤
「や、やめ…」
グレンから自分の状態を聞いた斉藤はすっかり怯えていた。
先程までの余裕の笑みは完全に消え、今は助けを乞うようにグレンを見上げている。
グレン
「やめてほしけりゃ俺の質問に答えろ」
そして立場が上になったグレンはそう命令した。
グレン
「なぜここを攻撃する?なんでこんな力のないガキばかりの学校を攻撃する?」
斉藤
「…っ」
グレン
「柊家の主力はここにいないだろ。なのになぜここを攻撃した?」
グレンの淡々とした問いかけに斉藤は息を飲む。
緊張感が走る試合場とは裏腹に、白煙の向こうは未だに悲鳴で溢れていた。
つまりまだ殺戮は続いているのだ。
あまりこいつにばかり構っている場合ではない。
グレン
「お前が嘘をついたらすぐに殺すし、俺が嘘だと判断しても殺す。だから答えるなら覚悟を決めて答えろ。お前らはなんでここに来た?」