怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】
第8章 乱入者
更に、この組織は人体実験でも有名だ。
噂によると特殊な才能を持った子供達の親を殺して孤児院に集め、酷い実験を繰り返しているらしい。
そんな最悪な話を聞いた時から私は百夜教が大嫌いだった。
「その百夜教とグレンは知り合いなわけ?」
嫌悪感を隠さずにグレンへと質問をする。
もし仲間なら私は一瀬の為に動くが、グレンとは一切関わらないようにしたいからだ。
グレン
「柊潰しの戦争をするから手伝えと勧誘を受けたんだ」
「柊潰し、ね」
確かにグレンのように強いなら彼ほどちょうどいい協力者はいないだろう。
密告しても一瀬だから信用されないし、柊を潰す事を嫌がる理由も特にはない。
深夜
「なるほどね。まあ柊に真っ向勝負してくる奴らなんて百夜教くらいか」
グレン
「ああ。なのにこいつらが何者かなんて質問してくるお前は脳みそ猿って事だ」
「………」
私も質問しようとしたのでそれは私にも当てはまる。
深夜
「あは、殺すよ?」
グレン
「てめぇには無理だよ」
でも深夜のようにそんな事を言っている場合ではないので、ぐっと堪えた。
そして今、必要な情報を得る為にグレンの方を見る。
「結局これは何?あいつは何がしたいの」
グレン
「何をか…」
周囲は煙幕で囲まれている為、この状況には誰も気づいていないはずだ。
つまりこの試合場を隔離しているともいえる。