怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】
第8章 乱入者
深夜
「多分愛梨ちゃんが来たのは想定外だろ?だから本来ならこの煙幕の中にいるのは柊が嫌いで仕方ない僕とグレンの2人のはずだったんじゃないか?」
斉藤
「いやー頭が良い方と話すのは楽でいいですね」
深夜の質問に笑顔を浮かべて斉藤は答える。
斉藤
「もちろんあなた達2人を勧誘する為にこの場を設けたんですよ」
「じゃあ私は関係ないじゃん…」
そして明るい声で語られた目的に私は思わずそう言ってしまったが、本当の事だから別に構わないだろう。
それに関係ないなら私がここに留まる必要もない。
柊と百夜教の戦争など全く興味がないので、私は白煙の向こうへと行こうとした。
斉藤
「いえいえ!別に歓迎しますよ?」
「…は?」
でも背中にかけられた言葉に思わず足を止める。
斉藤
「上手く情報操作してたみたいなのでこちらの調査には引っかかりませんでしたが、あなたは柊 征志郎を殺そうとした」
「柊が嫌いなら誰でもいいわけ?」
誰でも勧誘しているのか。
嫌いな組織だからか、無意識に冷たい声でそう聞いた。
斉藤
「とんでもない。さっき僕の鎖に対処ができたからこうしてお誘いしているんですよ」
グレン
「よかったな。お眼鏡にかなったらしいぞ」
「何がいいんだか…」
私としては全く良くない。
それに勧誘されているのは私だけではないのだ。
深夜
「他人事だけどお前も勧誘されてるの忘れてない?」