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怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第8章 乱入者




グレン
「………」


でもグレンは動じていなかった。
これはあの弱者と言われているグレンではない。


「っ!」


だから私は立ち上がる事もせず、征志郎を狙っていた1本だけを呪詛をかけて強化している鉄扇で弾いた。
残りの鎖は私よりも立っているグレンへと放たれていたからだ。

このグレンならこれくらいの鎖を対処できる。
そう確信したからこその行動だった。


グレン
「………」


色んな方向から同時に襲いかかってきた鎖。
グレンはそれを見ずにどこか一点を見つめたまま、刀を抜いた。


「…すご」


そして通常では有り得ない程の量の呪術を同時に起動したのだろう。
一瞬で全ての鎖を切り刻んでしまった。

レベルが違いすぎる。
私でも勝てない程の実力だ。


深夜
「お前、その力…」

「…!」


今までよく隠してこれたなと感心していると、後ろから声が聞こえてきた。
そう、ここには私以外にもう1人いる。

グレンも声に反応して振り返り、深夜の姿を確認した。


グレン
「…くそ。1番見られたくない奴に見られた」

深夜
「お前そんな力があってなんで今まで…」

グレン
「黙れ、殺すぞ」


驚愕の表情を浮かべて動揺している深夜。
そんな深夜の発言を、グレンは冷たい声で遮った。


グレン
「野心をペラペラ喋る奴を俺は信じない」

深夜
「…っ」


深夜が息を飲んだ。
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