怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】
第8章 乱入者
明らかにここは攻め込まれている。
私はまだ遭遇していないが、敵がすぐ近くにいるはずだ。
女子生徒2
「嫌!!殺さないで…!!」
「………」
後方から聞こえてきた声。
本当なら助けてあげたいと思う。
でも助けると私が不利になると判断し、体制を低くして動き出した。
目指すべきはどこなのか。
耳を澄ませ、生きている人を探す。
グレン
「こりゃ、最悪皆殺しにされるな…」
「!」
見つけた。
この声は間違いなく、一瀬 グレンのものだ。
そういえばグレンはあの攻撃を察知して、美十達を避けさせたように見えた。
今も生き残っている事から、実力を隠していたのは事実かもしれない。
色々と思う所はある。
でも今は生き残っているグレンの元へ合流するのが1番最善だろう。
?
「よし、とりあえず全員死ぬか」
深夜
「なんだあいつ…」
征志郎
「てめぇ、ふざけんじゃねぇぞ…!」
そしてグレンの方へと近づくと、深夜と征志郎の声が聞こえてきた。
つまりここは試合場の近く。
征志郎
「柊家に手出してただで済むと…」
黒スーツの男
「思ってるよ」
怒りを隠さない征志郎に答えたのは、見覚えのない黒スーツの男だった。
白煙のせいでぼんやりとしか見えないが、あそこにはあの男しか敵はいない。
黒スーツの男
「それに私はうるさいガキは嫌いだ」