怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】
第8章 乱入者
ただこの爆発の規模はあまり大きくはないので、殺傷目的の攻撃ではないのだと思える。
「やば…」
でもそんな風に分析している場合ではなかった。
赤い光は1本だけで終わらず、どんどん降り注いでくる。
避ける間もなくすぐ近くに落ちた光。
女子生徒1
「きゃああああ!!」
男子生徒1
「俺の!俺の腕が!?」
女子生徒2
「何!?何が起きたの!?」
男子生徒2
「み、みんな死んでる…!」
泣き叫ぶ声や悲鳴が演習場に溢れ、状況を理解できない。
「っ…」
しかも私はダメージを負ってしまった。
咄嗟に動いたお陰で直撃は免れたが、爆発の衝撃で左腕を痛めたらしい。
上手く動かす事ができなかった。
「くっ…」
それでもじっとはしていられない。
痛む体に鞭を打ち、なんとか立ち上がる。
すると顔を何かが伝う感覚に気づく。
「…血?」
どうやら目の上を切ったようだ。
体の痛みが強いせいで痛みは気にならないが、出血量は多い。
「最悪…」
乱暴に血を拭って周りを確認する。
でも周りは白煙に包まれていて、すぐ近くにいる人以外は認識できない程だった。
女子生徒3
「殺さないで!お願いだから殺…」
男子生徒3
「なんだお前!こんな事してただで済むと思うな…ぎゃあああ!」
「!?」
何かおかしい。
あちこちから聞こえ始めた叫び声でそれを察した。