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怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第8章 乱入者




昨日、私が耐えられなかった空気。
それがまた戻ってきた。


グレン
「ははは」


この光景に嫌悪感を抱いて顔を歪める私とは対象的に、こんな状況でもグレンはへらへらと笑っている。
いくら弱者だといってもここまでプライドも何もないクズになれるものだろうか。

これが次期当主なんてあまりにもグレンの先祖であるあの一瀬の少女が可哀想だ。


「はぁ…」


なんとしてでも私が復讐を果たさなくてはいけない。
学生生活を満喫している場合ではなかったのだ。

地面を見つめて気持ちを切り替える。


「………」


ここに来たのは友達を作る為ではない。
零崎家の人達の為にも頑張らなくては、私は存在価値すらないのだ。


グレン
「くそっ」

「?」


そんな事を考えていたのだが、不意に聞こえてきた言葉に顔を上げた。


美十
「なっ…!」

五士
「うお…!なんだ!?」

「…え?」


目に入ってきたのはグレンに美十が突き飛ばされる姿。
突然の事にバランスを崩したようで、美十はすぐ後ろにいた五士にもぶつかってしまう。


美十
「あなた!いったいなにをするん…」


何が起きたのか。
それを確認しようと叫び始めた美十の近くへと行こうとした時だった。


「…っ!?」


先程まで美十が立っていた場所に赤い光が着弾したのだ。
その光は大勢の生徒達を巻き込み、地面にぶつかってから爆発した。
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