第12章 波乱のジムチャレンジ
「あの……聞きたい事があるんですけど……」
「あ、私?なあに?」
サイトウちゃんと話した後、ベンチに座って自分のポケモン達のモンスターボールを見つめていた私に、マサル君が話しかけた
「あの、気になってたんですけど……マイさんのトドゼルガってガラル地方のポケモンじゃないですよね…?」
「ああ、気づいたの?」
トーナメントメンバーとして連れてきたトドゼルガのボールを撫でると、反応するように揺れる
「昔ね、ホウエン地方に行った時、そこで知り合った子に貰ったの」
「オレそいつ苦手かも〜」
隣でほざくキバナを無視しながら話を進める
「ホウエン地方のチャンピオン知ってる?その子なんだけど……」
「っあ!確か…ハガネタイプの…」
「そうそう!」
「凄いですね!チャンピオンとお友達だなんて!」
「そうかなあ?」
少しだけマサル君に近寄ろうとキバナから離れて座ると、その分また引っ張ってもとに戻される
いや、なんなの?
どうしたの、今日。緊張してるのかなあ
「あ、あと……マイさんって、Mなんですか?」
「えっ!?」
マサル君の言葉に、私を含めて数人のジムリーダーが吹き出す
「ずっと思ってたんです、マイさんと試合をしてから……」
「ええっ!?私、試合中そんな事言ってる!?」
「はい……甚振って…とか、もっと激しく……とか…」
恥ずかしいです!とマサル君は自身の顔を覆った
全くもって自覚がない
だって、熱中しちゃうし、必死だし、
「確かに、ちょっと思わせ振りなところはありますわ」
「ヤローさんまで!!」
「初めて戦った時は驚きましたよ」
「マクワさん〜〜っ!!」
「マイはバトル狂に相性厨だからな」
「キバナぁ〜っ!!」
そんなこんなで話をしていると、いつの間にか入場の時間になっていた
「マイ、行くぞ」
「うん」
漸く始まるんだ…!!ファイナルトーナメントが…!!
……あれ、そういえば……
ポプラさん、居なくない……??
そう思いながらも私たちは入場した。