第11章 ここからが本番
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あれ、案外弱くない?この子
……なんて、数分前は思ってた。
「僕は!チャンピオンになりたい!!!」
バトル終盤になってやっと本気になったって感じ
ネズから聞いて、心の中では警戒してた。
"ヤベー奴"
本当にその通り。
「エースバーン!ダイマックスだ!!」
「あっ!!イい……!!もっと!!私を昂らせて!私を……!!!」
甚振って……!!
「でもね!私だって負けを確信した勝負は嫌いなの!!ラプラス!ダイストリーム!!」
「エースバーン!!ダイバーンだ!」
レベルだってこっちの方が上、タイプだって有利なはずなのに…
どうしてそんな目をするの?
勝利を確信したような瞳。
この目は見たことがある。
ダンデだ。
勝利に貪欲で、本気でバトルを楽しむ目
チャンピオンになるべき者の瞳
2つのダイマックス技がぶつかり合って、爆発した時、客席から大きな歓声が沸いた
「終わっ、た……」
ラプラスをボールに戻す
結果は私の負け。
いつもなら悔しくて悔しくてたまらない筈
なのに、心の中は晴れやかで。
「よかったよ〜っ!!こんなに楽しいバトル久々だった!ありがとうね!!マサル君!!」
「い、いえ!それより上着を…」
「はい!これウェルズバッジ!!次のキバナも頑張ってね!」
私より少しだけ小さな手を両手で包む
また、戦いたいな……