第11章 ここからが本番
そこからは、私達の激しい攻防が続いた
「ああっ!!効果バツグンっ!!イイっ!ちゃんと対策してくれたのね!!」
「もちろんです!アニキに散々言われたので!」
あられが打ち付ける音にも、技の爆発音にも劣らない声量が私の耳に届く
暑い、暑い!熱い!!
体の奥底から煮えたぎるような血の高波が私を興奮させる
「もっと、もっともっと!!私を滾らせて!!ラプラス!ぜったいれいど!!」
「スーイ!!」
足元に流れた水が一気に氷へ変わる
それはたちまち広がり、スタジアム全体に霜が降りた
「ぐぅう!!」
彼のカビゴンのHPは既に0で、モンスターボールへと吸い込まれていった
コート内は0°を下回るくらい寒いはずなのに、私の体は熱くてたまらない
「さあ!どうしたの?もう手詰まり?」
「まさか!行け!ゴリランダー!!」
ゴリランダー…ダンデがプレゼントしたってポケモンの進化系か…タイプは草かな?
残りのポケモンはラプラスとグレイシア
どうしようか…氷の面ではこちらの方が有利なのだけど、水タイプの面ではこちらの弱点でもある
「ゴリランダー!ドラムアタック!!」
あ、まずい、相手の方がすばやさが上だ…
「きゅうう…!!」
弱々しく鳴いて、ラプラスが倒れる
「ラプラスっ!」
私の胸がぎゅっと締め付けられる
それと同時に、心の中から何かが溢れた
「まだまだこれから!勝敗はもちろん、楽しむ事こそがポケモンバトルの本質でしょう!?なら、もっと私を楽しませて!ああ、熱い!!熱くて、たまらない!!」
心も体もヒートアップしていく
久々のバトルだから??
吹き抜ける冷気が、私には熱気としか感じない
体が火照ってしまって焼けるように熱い
羽織っているジャケットさえまどろっこしく感じて、脱ぎ捨てる
「頑張ってね!グレイシア!」
「グレっ!!」
最後の頼み、グレイシアを繰り出す
「どんな境地に立たされても先がどうなるかなんてわからないの!絶対に勝つ勝負も絶対に負ける勝負も嫌でしょ?さあ!グレイシア、ダイマックス!!身も心も凍てつかせて!」
巨大化したモンスターボールにキスをして思い切りなげる
すると巨大なグレイシアがコートへ出現した
「っダイアイス!!」
その瞬間、コートが白で染まった