第11章 ここからが本番
「フブキ、これお願い」
「はい」
エントランスで受付をしているフブキにコーンスープを渡す。…クッキーは……どうしようかな。作ったはいいけどどうするかは考えていなかった。
どうせまだチャレンジャーは来ないし、スタッフのみんなと食べようかな
もう1つは……キバナに食べてほしいから、とっておこ…
ロビーのソファーに腰掛けて、備え付けのテーブルにクッキーのカゴを置く。
ユキネが戻ったらみんなも呼ぼう。
それにしても、先頭を切っているジムチャレンジャーは今どこのジムにいるのだろう。
そんな事を考えていた矢先、私のスマホの着信が鳴った。
画面にはネズと表示されていた。
「は〜〜〜〜〜〜〜い、マイで〜〜〜〜〜〜〜す」
『うるせぇですよ。今ウェルズタウンの入口にいるんですがね。どうにも寒くて進めません。おまえのところに行きたいので迎えに来てくれませんか』
ひゅうう、と風の音でノイズが混ざる。
今にも凍えそう。というような声色に、不覚にも笑ってしまった
「え〜さむ〜い」
『どの口がいいやがる。歩く童貞殺し』
「……………………えっ?」
『いいから早く来てください。頼みますよ。』
一方的に切られた通話
仕方ない、迎えに行ってあげよう。
ジムチャレンジャーが来てないかも見に行きたいし
「ガウウッ!!」
ボールからウインディをだすと真っ先に私に飛びついてくる。
よしよしと宥めると、それでなんの用?とばかりに私を見つめた
「タウンに下りてネズを迎えに行きたいんだけど、2人乗れる?」
「わうっ!!!」
ぴょんぴょんと嬉しそうに跳ねたウインディからは余裕余裕!!というようなものが受け取れた。
「フブキ!!少し出かけてくる!」
少し大きめの声でフブキに声をかけると、オッケーで〜すと緩い返事が聞こえた
「よし、行こ」