第11章 ここからが本番
「はァァ〜〜まだかなぁ〜〜」
「カブさんとネズさんを越えるまでがかなり難関ですからね」
ウェルズジムの特設厨房にて、ジムスタッフのユキネと私は、大量のコーンスープを作っていた
いつもなら作らないけれど、今日は豪雪強風。雪山で死なれては困るのでこうして作っている。
ジムミッションの山は、一層、二層、三層となっていて、三層を越えるとジムに繋がるようになっている。
各層ごとに見回りのジムスタッフと休憩所も設置したし、万が一人が倒れていても見つかるように対策した。
「でも今年はきっとスルーされないよね」
「はいっ!!もちろんです!電光掲示板、街の人達にかなり好評価でしたよ!」
毎年毎年、多くのジムチャレンジャーにスルーされるウェルズジム。
けど、今年は雪山の周りを塀で囲って、山の入口に電光掲示板まで立てたのだから、その心配はない。
まあ、かなりの人件費と工事費はかかったけれど、、、
(オリーヴさんに、今度またローズさんに迷惑かけたらマイナーリーグに落とすぞ、と脅されたのは秘密だ。)
「……よしっいいんじゃない?これ、各層に届けてくれる?」
「はい!喜んで!!」
ワゴンに乗せた三つの鍋をユキネに渡す
会話文だけを見ると、私が何Lもあるコーンスープを極寒の雪山の中、届けに行かせる。というような感じになっているけど、勘違いしないでほしい
ちゃんとした公用エレベーターが設備されているのでコーンスープを冷ますことなく届けることができるし、女の子一人でも運べるのだ。
(これを設置する時も、オリーヴさんに咎められた)
厨房からユキネが退室した後、私もエントランスに置く用のコーンスープが入った鍋と、余った時間で作ったクッキーを入れたカゴを2つ持って厨房を後にした