第6章 ホラーナイト
「いやー、いいね!!友達が少ないって」
「…いいのか?それ」
すっかり安心しきったマイは再び隣に座り直した
"お次もとあるスタジアム……砂嵐が吹き抜けるこのスタジアムでありえない現象が……"
「……え?」
「そこ、ナックルスタジアムじゃない?」
まさかな、というふうにマイと目を合わせ、ゴクリと唾を飲んだ
"スタジアムのライトにご注目ゥ〜
3
2
1"
映像の中で、ガシャンと音を立ててスタジアムのライトが宙を舞う
オレは思わず菓子を食べる手を止めた
いやいやいや、所詮"造っちゃった映像"だし
幽霊とか信じねーし。ポルターガイストなんて知らねーし。
強がってはいるが、オレの頬に冷汗が流れた
だけどそれは一瞬の間だけで、映像の結末を見たオレ達は爆笑することになった
映像に映し出されたのは、砂嵐が止むと同時にオレの頭を目掛けて落ちてくるスタジアムのライト
バトルに勝利したマイと握手を交わしていると案の定直撃する
あっけらかんとするマイ
心配して寄ってくるフライゴン
「っふふふっ!!!ちょっ、まってよ、!!!これ、も、ダメ!!」
隣で腹を抱えて笑うマイ
実はこれ、最近話題になった動画である
「これ、心霊映像じゃなくて爆笑映像だろ」
オレが砂嵐を使い過ぎた所為で劣化したライトが寿命を迎えた瞬間を捉えた動画
宙に浮いたように見えたのは、砂嵐の勢いが強くライトが軽かった為丁度良く飛んだだけ
そしてオレに直撃したのは、オレさまの運が悪かったって訳だ